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将来計画及び運営方針 分子研リポート2004 | 分子科学研究所

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5.将来計画及び運営方針

平成16年4月の法人化により,分子科学研究所は「自然科学研究機構」の一員としての新たなスタートを切ったが, この新組織が落ち着くにはまだ暫くの時間が掛かりそうである。基礎学術に関する環境には依然厳しいものがあり,新 しい学術研究パラダイムの構築を目指して更なる努力を重ねなければならない。創設以来30周年を迎える分子科学研 究所も,機構内外との連携を深めつつ,「分子科学」の一層の飛躍を図って行く必要がある。分子科学研究所の4月以 降の管理運営体制,組織,将来の活動計画などに関する概略を以下に述べる。

管理運営面では,前号で述べた通りの新しい体制(運営顧問,研究総主幹,研究連携委員,安全衛生管理室等々の 設置)を平成16年4月から実施している。平成17年4月からは,更に,技術課組織を専門毎に7班に再編する計画で ある。

平成16年度新規にスタートした「分子科学国際共同研究」事業は,臨機応変な対応が出来ることもあり,有効,有 益に実行されている。今後は,更に,アジア諸国との共同研究体制の拡充を進める予定である。

前章で述べた通りの研究施設の評価と平成17年度概算要求の結果を踏まえて,それぞれの施設,及び,研究体制の 将来計画が練られている。先ず,17年度概算要求で認められた理研との連携融合事業である「エクストリーム・フォ トニクス」については,分子制御レーザー開発研究センターの再編を考えると共に,十分な研究資源が得られる様に 更なる要求を行っていく計画である。UV S OR 施設では,加速器の次世代化,ビームラインの強化を目指すと共に,他 機関との連携を強めていく。分子スケールナノサイエンスセンターに設置された 920MHz NMR については,その速や かな有効活用を目指して,先導分子科学研究部門に名古屋市立大の加藤晃一教授を招くと共に,将来の利用研究の拠 点化を目指していく。岡崎共通研究施設である計算科学研究センターにおいては,次期スーパーコンの導入を目指し た議論を進めているが,それに加えて,分子科学を基盤としバイオサイエンスをも包含した基礎学術分野におけるシ ミュレーションセンターとしての一大拠点の形成を目指した議論が進められている。装置開発室では,分子研外から の申請に基づく装置開発事業を開始する計画である。以上の諸施設の現状と将来計画についての詳細が以下の各節に まとめられている。

最後に,研究系と研究施設の再編及び人事構成のあり方等について,今後更に検討を加えていく予定である。

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5-1 分子制御レーザー開発研究センター

5-1-1 分子制御レーザー開発研究センターの成果と問題点

分子制御レーザー開発研究センターは,旧機器センターからの改組拡充によって平成9年4月に設立された。分子 位相制御レーザー開発研究部,放射光同期レーザー開発研究部,特殊波長レーザー開発研究部の3研究部において所 内課題研究及び調査研究を行う他,多数の共同利用機器,小型貸出機器を保有,維持管理し,利用者の便に供してい る。各研究部には助教授及び助手が各1名配置され,またセンター共通の技術支援には技術課の3名の技術職員が当 たっている。放射光同期レーザー開発研究部は猿倉助教授が担当し,分子研 UV S OR との同期実験に向けた基礎的レー ザー光学技術の開発の他,大出力紫外パルスレーザーやコヒーレントテラヘルツ光源の開発などの成果を挙げている。 特殊波長レーザー開発研究部は平等助教授が担当し,分子科学の新たな展開を可能とする波長の可変な特殊波長(特 に赤外域)レーザーの開発の他,マイクロチップレーザー光源等の開発を行っており,産業界からも注目される成果 を挙げている。分子位相制御レーザー開発研究部は,分子制御のための時間的特性を制御したレーザーの開発と反応 制御実験を目的として設置されたが,佐藤助教授が平成12年に転出した後,将来計画に絡めて研究課題を再検討する 方針で,現在欠員となっている。

共同利用機器の内で小型貸出機器はその時々の需要に応じて適宜更新しており,高い効率で有効利用されている。し かし,レーザー光源装置など大型のものについては,その利用頻度は高くないのが現状である。この点については, レーザーを用いた分子科学分野における研究環境の変化を十分考慮しなくてはならない。すなわち,大学におけるレー ザー関連の研究環境が年々向上し,チタンサファイアレーザーに代表されるきわめて安定で取り扱いの容易な超短パ ルスレーザーが多くの大学や研究機関に普及するようになった。したがって,レーザーのエキスパートでない研究者 も気軽に超短パルスレーザーなどを使用することのできる時代になっており,レーザーのみを据えて利用に供すると いう方式が共同利用のニーズにあわなくなっていると考えられる。

5-1-2 本センターの果たすべき役割

このような現状を鑑みると,共同利用研における本センターの果たすべき役割は市販レーザーを維持管理し,これ を利用に供するというものでないことは明らかである。むしろ,本センターは分子科学における光科学の最先端を切 り開く新しい光源,および,ユニークな光科学関連装置や方法論の開発までを含めた総合的な取組みを行うことが重 要である。他に類を見ない装置や方法論の開発があってはじめて,本センターが分子科学研究所の一つの重要な柱と して分子科学分野へ大きく寄与できるとともに,新たな共同利用の機会を創出することができる。

このためには,形骸化した現行の課題研究を見直すと共に,現センターの専任職員のみならず,研究所内の光科学 関連研究者を結集した新たな組織作りが必要である。そこで,光源のみを開発するセンターではなく,分子科学におけ る広い意味での光科学研究の新しい展開の拠点としての「光分子科学センター(仮称)」を設置することを構想してい る。

5-1-3 光分子科学研究センター設置の必要性とその構想

光分子科学研究は本研究所が世界に誇る重要な柱の一つである。この分野の進展は目覚しく,従来からの分光法に よる受動的な観測から光による化学反応の制御や物質の機能発現の研究に発展しようとしている。本研究所が今後も この分野で世界のトップランナーとして他と伍していくためには,前項で述べた現センターの問題点を解消し,光分

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子科学研究の名実ともに中心となるセンターを再構築することが不可欠である。そこで,新センターは,「光を創る, 光で観る,光で制御する」という3つの重点目標のもとに,レーザー科学と分子科学分野の研究者からなる研究体制 の核を確立すると共に,他研究系や研究施設とも互いの研究連携を強める必要がある。

具体的な重点課題としては,以下のものが挙げられる。

1)テラヘルツから軟X線にいたる新たなコヒーレント光源開発(光を創る) 2)光イメージングとナノ領域顕微分光法の開発(光で観る)

3)光位相の精密制御による物質波のマニピュレーション(光で制御する)

これらの研究課題は,レーザー光源の開発から新たなスペクトロスコピー,および,マイクロスコピー,制御法に 至る統合的な研究手法を開発するものである。

これらの困難な開発研究を成功させるためには当該センターの努力はもとより,所外の研究者との連携が重要であ る。特に,独立行政法人理化学研究所とはレーザー光源開発,および,分子科学,物質科学,生命科学などを含む幅 広い分野での新たな光利用において,相補的な立場から強い連携を保ち,我が国の光科学研究ネットワーク形成の核 となることを目指す。

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5-2 分子スケールナノサイエンスセンター

自然科学研究機構分子科学研究所分子スケールナノサイエンスセンター規則第2条に,センターの設置目的として

「センターは,原子・分子レベルでの物質の構造及び機能の解明と制御,新しい機能を備えたナノ構造体の開発及びそ の電子物性の解明を行い,これらが示す物理的・化学的性質を体系化した新しい科学を展開するとともに,ナノサイ エンス研究に必要かつ共通性のある物性機器,研究設備の集中管理を行い,これらを研究所内外の研究者の利用に供 し緊密な連携協力の下で共同研究等を推進することを目的とする」との記載がある。即ち,センターは「ナノサイエ ンス研究を行う」機能と,「ナノサイエンス研究に必要かつ共通性のある設備等の集中管理・共同研究の推進」という 機能が要求されていることになる。

以下の方法でこの二つの機能を果たすことができると考えている。

5-3-1 ナノサイエンス研究の推進について

・研究グループ毎の独自テーマの遂行とセンター内外での共同研究の推進

ナノサイエンスという言葉は非常に広い意味を含んでおり,必ずしもその概念範囲が確立したものではない。セン ターの研究教育職員は,様々な研究のバックグラウンドを持っており,そうしたバックグラウンドを元にして,自由 な発想を堅持しながら,ナノサイエンス上の共通課題に取り組む共同研究を行うことで,分子研独自のナノサイエン スの創出が可能になると考えている。共通課題を探索する仕組みとして,今年度からセンターにおいては定期的に研 究交流会を行い,各研究グループからの最新の研究成果の紹介とフリーディスカッションを行うことにした。この中 で出た共同研究の萌芽を育てる仕組みを作ることが必要となるであろう。

センターを構成する三研究部門は,それぞれ下記のように独自テーマを遂行する。

[分子金属素子・分子エレクトロニクス研究部門]

分子スケール電子素子とは,一つの機能単位が分子レベル(~1 nm 程度)の電子素子の総称である。その実現はナノ サイエンスの代表的な課題であり,集合体の性質によらない一つの分子の電気特性を明らかにする,分子や無機ナノ 構造体の高次の自己組織化を制御する,バルク電極と有機・無機ナノ構造体の界面の状態を明らかにするなど基礎科 学的に重要な課題を含むと同時に,将来の超微細電子素子の基礎を築くという応用面での重要性も併せ持っている。こ れを実現するためには,合成化学,物性物理,ナノ電子計測,表面科学,計算機科学,数学など幅広い分野の研究者 の協力が必要であり,これまでの科学の分野を横断したフロンティア分野であることは明らかである。

本研究部門においては,このような視点の元で次のような具体的課題を,3つの研究グループで行い,分子スケー ル電子素子という新分野を開拓する。

(1)高性能の電気特性を示す新規有機分子の開発

集合体レベルでキャリアー移動度の高い分子の設計・合成,単分子レベルで高電導性を持つ分子の設計・合成,単 分子レベルで光応答性,電界発光能を持つ分子の設計・合成と,それら分子の素子化と物性の研究を行う。また,新 規の無機ナノ構造体の開発および,無機・有機ナノ構造体の高次複合系の研究も行う。

(2)有機分子の電子素子化における課題の解決

有機分子と電極界面の解析,制御の研究。新たなナノレベルの電極作成法の開発,有機・無機ナノ構造体の高次自 己組織化の制御などの研究を行う。

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(3)単分子電子計測に必要な分子設計,合成,新規計測手法の開発

単分子計測が容易になる分子の設計,合成,ならびに新規のプローブ顕微鏡の開発などの計測手法の研究を行う。 更にこうした新たな分子系や,新規計測手法を利用した研究所内外の共同研究を進め,新規分野の開拓を行う。

[ナノ触媒・生体分子素子研究部門]

21世紀を迎え,今日の研究支援機器の発達などに伴い,従来は均一触媒と捉えられてきた溶液相における触媒反応 特性のより包括的な理解(分子集合体,コロイド種などを含む)や,不均一触媒(固体触媒,ナノ粒子触媒など)の 分子レベルでの理解が可能となりつつある。また生体系触媒機能に見られる複雑な分子,電子,エネルギーの授受は 理想的化学変換のショーケースと捉えることができる。これら生体分子素子の働きを分子レベルで俯瞰しそのシステ ムをフラスコ反応として取り出す試みは,新世代の触媒システム・化学変換工程の開拓に直結する。これら生体触媒 の機能発現に決定的な役割を果たしているのもまた液相における分子レベルのナノ構造である。

触媒化学の鍵を握るのはナノスケールでの構造的情報であり,もう一つは分子,電子,エネルギーの流れに起因す る分子のインターラクティブな動的挙動や空間的な不均一性である。すなわち今や触媒化学における均一−不均一,分 子性−固体,などの境界は混然と成りつつあり「ナノ」というキーワードの下で本質的な理解が進みつつある。本研 究部門では分子科学者の視点からこれらナノスケールで触媒化学を見つめ,理解し,設計し,その構造−機能の新局 面を開拓する。

今後は,分子レベルでの化学現象の理解・設計・開発を進めつつ,特に従来の単位工程としての化学変換反応に留 まらず,より大きな化学変換システムの開発研究に邁進する。それら化学変換システムを司る触媒などの機能性分子 には複合的機能の集積化が求められることから,従来の小分子レベルでの設計を越え,ナノスケールでの機能分子開 発が必然的に要求される。

また,機能開発と並行して学際的連携によるナノスケールでの分子挙動に基づく新分野の開拓を目指す。特に本部 門で開発する新物質を基盤とすることで,既存物質系の研究では到達しがたい独自の分子科学を創成する。

[ナノ光計測研究部門]

金属ナノ構造物質は,不均一触媒反応においてきわめて重要な役割を果たしており,また,プラズモン共鳴に基づ く光電場強度の増強など分光学的,および,光化学の立場からもきわめて興味深い物質である。本研究部門では,金 属ナノ構造物質の構造,物性,および,反応性にわたる総合的な研究を展開し,サイズ特異性・サイズ依存性の発現 の起源を追求する。

金属ナノ構造物質の調製方法としては,よくコントロールされた金属酸化物表面への真空中での金属蒸着などのド ライな環境の下で行うものと,有機単分子膜に保護されたコロイド状の金属ナノ構造物質を溶液中で調製するウェッ トな方法などを採用する。特に後者の方法では,原子レベルでサイズ制御された金属クラスターを系統的に作りわけ が可能であり,この利点を活かした精巧なモデル構造体の構築を目指す。

調製された金属ナノ構造物質の幾何学的構造は,T E M,S T M,A F M などにより明らかにすると共に,その電子構造 は紫外光電子分光,2光子光電子分光などにより明らかにする。特に,この物質の光非線形効果や光化学において重 要と考えられる電子ダイナミックスをフェムト秒時間分解2光子光電子分光によって解明する。

金属ナノ構造物質表面での反応性を明らかにするためには,まず吸着種の同定とその吸着状態を明らかにする必要 がある。このために,反射赤外吸収分光や和周波発生分光を行う。特に,後者はピコ秒の時間分解能を有するため,金

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属ナノ構造物質表面での反応における中間体の検出に適しており,これらの知見から反応機構の解明,および,反応 の制御法の開拓を行う。また,これらの基礎的な知見に基づいて,金属ナノ構造物質と有機分子からなる触媒系を設 計・合成し,均一系での触媒反応過程を A T R -F T IR などを用いて in-situ に追跡する。

5-3-2 ナノサイエンス研究に必要かつ共通性のある設備等の集中管理

・新規大型機器導入の努力と,既存機器の効率的維持管理

全国の大学における研究環境を見ると,およそ1億円未満の価格帯の中型機器を揃えて全国共同利用に供する必要 性は減ってきたと認識している。ナノ支援により導入された 920MHz 核磁気共鳴装置(NMR )は,主にセンターの職 員により維持管理されているが,その価格や維持管理に必要な資源の大きさから考えて,全国共同利用とするにふさ わしい設備である。この設備を中心として発展可能な共同研究を推進するための,設備,人的体制を整えることが必 要であろう。

これまでに導入されている機器も,共同利用の実績から判断して必要度が高いと思われる機器については,重点的 に更新・改良を行うことにした。利用度が低い装置については,修理が困難になった段階で,廃棄もしくは研究グルー プ等への移管をすることにした。また,主に所内共同利用を意識した新規の小型・中型機器をどのような基準で選定 し,どのような予算で購入し,どのようなシステムでサービス提供するかについては,今後更に議論を深める。

また,NMR 以外の大型機器の導入についても,次のような設備の導入に努力する。

・ナノファブリケーション設備の導入

既に全国の大学には何カ所かにナノファブリケーション設備が導入されているが,分子研の研究環境に存在するこ とで初めて可能になる研究テーマがある。これが,新たなナノサイエンス研究の芽になることは間違いないと考えて いる。

・独自装置の開発とその共同利用の可能性の探索

独自装置の開発は研究そのものであり,その成果を共同利用に供することには抵抗があることが多いが,最先端研 究において本当に重要な装置・設備は市販していない可能性が高い。そうした装置・設備を共通性の高い予算で作成 して,共同利用に供する可能性を検討することも必要であると考えている。

・技術職員の充実,維持管理予算の拡充

高度の設備を最大限に利用するためには,高度の技術的サポートが必要となる。こうした技術支援を行う人材の探 索,養成を行い,その技術力にふさわしい処遇を用意することが今後益々重要になる。また,これらの大型機器はそ の維持経費も大きく,これまでの維持管理予算の範囲ではカバーしきれず,研究経費に食い込みつつある。こうした 事態を改善するための予算処置が必要となる。

他の大学・研究所から見た場合の共同利用研の魅力は,単に大型設備がそこに有る事ではなく,その設備を最大限 に活かして高度の研究を行っている研究者が周辺にいることである。そのためには分子研の独自性を活かした設備の 開発・導入と,既存大型設備の性能を最大限に活かせる人事交流の両面が必要であり,そうした観点で運営を行って いきたい。

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5-3 極端紫外光研究施設(UV S O R )

5-3-1 現状

2003年に光源加速器及びビームラインを高度化し UV S OR -II へと生まれ変わったが,その後も,従来どおり順調に 運転を継続している。現在,運転時間は9時から21時までの12時間,入射間隔は6時間,蓄積電流値は多バンチ蓄積 モードで 350 mA ,単バンチ蓄積モードで 100 mAである。エミッタンスは,今のところ,高度化前の約1/3に相当 する 60 nm-rad であるが,2005年5月からは新しい高周波加速空胴を使って更に小さい 27 nm-rad でのユーザー運転が 開始される。高度化後は国内各地からの利用者に加えて,分子研独自の国際共同研究プログラムにより,フランス,ド イツ,韓国などの研究者の共同利用が活発に行われるようになってきた。

最新鋭のシンクロトロン放射施設は第3世代と呼ばれている光源加速器を擁しており,第1世代(高エネルギー物 理のためのシンクロトロン加速器を放射光源としても併用)を専用化した第2世代(放射光源専用電子蓄積型シンク ロトロン加速器)の光源加速器では使っていなかった直線部分にアンジュレータなどの挿入光源を挿入し,高輝度な 光源に増強したものである。第2世代光源から見て,直線部が長くなり,その数も増えたものが第3世代光源である。 20年以上前に建設した UV S OR 光源は典型的な第2世代光源であったが,2003年以降,高度化によって生まれ変わっ

た UV S OR -II 光源加速器では,直線部は4箇所から8箇所に倍増し,その長さも 3 m(4箇所)から 4 m(4箇所),1.5 m

(4箇所)となった。偏向電磁石からの放射光の輝度(brilliance)も1桁以上増えた。アンジュレータから得られる放 射光の輝度も世界で典型的な第3世代光源のアンジュレータから得られる輝度の領域に入ってきた。

同種のビームラインは出来る限り1本に絞って高度化することで各ビームラインでの研究レベルも向上しつつある。 特に2004年4月に実施した赤外線ビームライン B L 6B の高度化は成果を上げている。B L 6B では偏向電磁石ダクトにミ ラー槽を直結し,いわゆるマジックミラーをその内部に設置することで,改造前の約4倍の 215 × 80 mrad2という非 常に大きな取込角を実現した。その結果,輝度は2桁程度も向上した。平成17年度にこの明るい光源を使って,テラ ヘルツ領域の顕微分光を中心に赤外磁気光学や表面反射吸収分光等に利用するための準備を行っている。また,高度 化の際に設置された真空封止型アンジュレータ2号機の光を利用する B L 3U においては,高輝度高分解能軟X線分光 器が立ち上がり,分子クラスターのような希薄試料の光電子分光実験が始まっている。さらにこれまで高分解能化が 待たれていた軟X線発光二次分光器の開発に全く新しい光学系を組むことで世界に先駆けて成功している。

5-3-2 将来計画

平成16年度に外部評価を受け,将来計画についても議論した。その後,平成17年1月26日の分子科学研究所将来計 画委員会,2月4日の UV S OR 運営委員会においても検討を加えた。施設の次期計画を練って概算要求するのは10年 程度先になるものと考えられ,それまでは高度化後の光源とビームラインの強化,あるいは次世代化(最後の註を参 照),が中心となる。すでに高度化されたビームライン(特に B L 3U と B L 6B )についても一層の強化を行う。外部評 価結果(非公開も含む)や UV S OR 運営委員会での議論を踏まえて,研究系ビームラインを含めたビームラインの見直 しや光源開発研究や高度な利用研究に関する国内他施設との連携を進めつつ,施設全体の次世代化に取り組む。

①光源加速器の次世代化(トップアップ運転)

世界共通理解としては汎用型のシンクロトロン放射光源は第3世代までしか定義されていないが,第3世代光源と 呼ばれる光源が誕生してから10年以上経っており,現在までに既存の第3世代光源においていろいろな面からその性

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能向上が行われてきた。ここではそれらの性能向上計画を次世代化と呼ぶことにする。第3世代化されたと言っても よいレベルとなった UV S OR -II 光源の次の計画はトップアップ運転である。トップアップ運転とは電子ビーム入射後, 時間と共に弱くなってくる放射光の寿命を実質的に無限大とするもので,利用者は絶えず同じ強度のシンクロトロン 放射が使えるために研究の効率が上がるのはもちろん,測定条件が全く変動しないためデータの質が格段に向上し,研 究の質も変わってくる。トップアップ運転は次世代のシンクロトロン放射光源の必要要素である。トップアップ運転 を実現するには以下のことをしなければならない。

・フルエネルギー入射の実現

現在,入射器で 600 MeVまで加速器した電子を UV S OR -II 電子蓄積リングに打ち込んだ後,750 MeVに加速している が,入射器で 750 MeVまで加速できるように電源等を強化する。

・放射線防護壁の増強

トップアップ運転では,寿命で失われた電子蓄積リング内の電子を補給するため,絶えず入射器から電子を入射する ことになり,入射中も実験可能な放射線レベルに押さえる必要がある。そのため,電子蓄積リングの放射線防護を現 状より強化する必要がある。

平成17年度末から平成18年度初めにかけて入射器と放射線防護壁の増強を実施する予定である。その後,トップアッ プ運転を可能としていく。

②挿入光源ビームラインの強化

高度化後,長直線部が4箇所,短直線部が4箇所となったが,現状では長直線3箇所がアンジュレータに使われて いるだけである。また,アンジュレータの3本の内,1本は短いもので,本来は短直線部に挿入すべきものである。そ のため,新たな長尺アンジュレータを長直線部に導入し,ビームラインを新設するため,平成17年度末から平成18年 度初めにかけて以下のことを予定している。

・既存アンジュレータのギャップと分光器の波長駆動の同期スキャンの実現

・現在の短尺アンジュレータ(B L 7U)を短直線部(B L 6U)に移動させ,新たな利用研究を検討

・B L 7U に長尺アンジュレータを導入し,真空紫外分光器を新たに建設

以上によって,直線部のアンジュレータは以下のようになる。

B L 1U(長) 入射点 (短尺挿入光源併設可能) B L 2U(短) 加速器制御系(主高周波加速空胴) B L 3U(長) 長尺アンジュレータ

B L 4U(短) 短尺アンジュレータ用(検討中)

B L 5U(長) 長尺アンジュレータ(自由電子レーザーにも併用) B L 6U(短) 短尺アンジュレータ

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B L 7U(長) 長尺アンジュレータ B L 8U(短) 加速器制御系

新しく建設するビームラインは他施設との差別化も考え UV S OR が最も得意とする真空紫外(極端紫外)領域の高分 解能分光(特に光電子分光)を実現させるもので,今年度の外部評価で最優先での建設を勧告されているものである。 これまで UV S OR 施設ではこの領域で性能的に他に誇れるような分光器建設に成功していないとの評価を受けており, 国内の研究者・研究機関との連携も視野に入れて建設する必要がある。今後,3月10日,11日の UV S OR 高度化ワー クショップで国内の専門家と詳細を検討し,その結果を踏まえて,計画をより確実なものにする。

③光源加速器の次世代化(光源開発研究と利用研究)

光源開発研究では,テラヘルツ領域において単バンチ大電流蓄積時にバースト的な大強度コヒーレント放射光の観 測に成功し,さらにUV S OR でしか実現できないユニークな手法でバーストの発生を制御することに世界で初めて成功 した。そのピーク強度は通常放射光の 1000 倍から 10000 倍にも達するものである。すでに B L 6B では広い波長領域に わたって非常に安定で非常に強いテラヘルツ光を提供しており,干渉性を除けばレーザー光源を使うよりもすぐれた 光源であるが,コヒーレント放射光の利用が実現すれば,テラヘルツ領域の放射光やレーザー光をはるかに凌駕する 光源となる。UV S OR では所外の加速器研究者とも連携して,平成17年度にはフェムト秒レーザーを利用することでよ り制御されたテラヘルツ光の発振に取り組み,平成18年度あるいは平成19年度には利用研究を実現させる。また,中 期的にはフェムト秒放射光パルスの発生とその利用研究にも取り組む。

また,B L 5U を使った自由電子レーザーでは,現在,予備的な実験の段階であるが,波長 245 nm において数 100 mW の出力を得ている。平成17年度,平成18年度の2年間,海外の電子蓄積リング自由電子レーザー研究者と国際連携し ながら,低エミッタンス電子ビームを用いた紫外域における大強度発振の実現に取り組み,利用研究の可能性を探る。 平成17年度末に高分解能光電子分光装置を B L 7U(新設真空紫外ビームライン)に移設した場合,18年度には B L 5U の 自由電子レーザー専用化が可能である。いずれにしても外部評価の指摘に従い,2年後には自由電子レーザー研究の 見直しを行い,平成19年度以降も B L 5U の将来計画として自由電子レーザー研究(利用研究を含む)を継続するか,他 の計画を優先させるか,等について審議する。

(註)

放射光という学術用語は synchrotron radiation (S R )のことであり,シンクロトロン放射と直訳もされている(中国語 では同歩輻射)。最近では混乱を避けてシンクロトロン光と呼ぶところもある。なお,軌道放射(synchrotron orbi tal radiation, S OR )という表現は東京大学物性研究所の光源施設(今はない)の固有名詞から来ていると国際的には認知 されており,学術的には全く通じない用語である。放射光源は第1世代から始まって第3世代まですべてシンクロト ロン加速器を基本とする光源であり,今のところ,第4世代と呼ばれるシンクロトロン放射光源の具体案はなく,汎 用型の放射光源の分類としては第3世代で止まっている。その中でもトップアップ運転などの第3世代光源の高度化・ 次世代化が現在,各光源で試みられている。一方,現在,国内で次世代放射光源と呼ばれているものは線形加速器(ラ イナック)を使った光源のことである。しかし,線形の光源加速器を放射光源と呼ぶのは,もともと放射光がsynchrotron radiation であったことを考えると矛盾した呼び方である。欧米ではもちろん,線形の光源加速器のことは synchrotron radiation とは一切,呼ばない。いつの間にか国内では放射光とはシンクロトロン放射のことではなく,加速器から得ら

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れる光のことを指すようになったようである。この次世代放射光源の意味する線形加速器光源は汎用的なものではな く,第3世代放射光源の延長にもない。つまり,今のところ,次世代放射光源と呼ばれている次世代光源は,汎用型 の放射光源の次世代化とは全く異質なものであり,UV S OR -II のような第3世代(的)放射光源の存在価値を失わせる ものではないことに注意が必要である。

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5-4 計算科学研究センター

2005年1月現在の計算機システムの概要を下図に示す。図の左側は2000年3月に導入されたスーパーコンピュータ システムで,図の右側は2003年3月に更新されて山手地区に設置された汎用高速演算システムである。

SGI SGI2800,Origin3800

cco2k1 32CPU  cco3k1 128CPU cco2k2 32CPU

cco2k31 128CPU

日本電気

TX-7 64CPU

File Server

Frontend ccfep1 ccfep2

富士通 VPP5000 30PE 日本電気 SX-7 32CPU

汎用高速演算システム

スーパーコンピュータシステム

機構ネットワーク CISCO Catalyst

高速シミュレーション 日立 SR8000 6CPU

システム構成図

スーパーコンピュータシステムは,富士通製 V PP5000 と S GI 製 Origin から構成されている。V PP5000 は 1 C PU 当 たりの最高演算性能が 9.6 Gflops のベクトル演算装置30台から構成され,各 C PU に 8 ∼ 16 GB の主記憶装置をもつベ クトル並列計算機である。一方,S GI Origin は 1C PU 当たりの最高演算性能が 0.6 ∼ 0.8 Gflops のスカラー演算装置 320 C PU から構成され,1 C PU 当たり 1 GB の主記憶をそれぞれの C PU から共有メモリとしてアクセスが可能な分散共有 方式の超並列計算機である。V PP5000 では高速なベクトル演算能力を活かした大型ジョブの逐次演算処理や8台以上 のベクトル演算装置を使った大規模なベクトル並列演算が可能である。Origin2800/3800 は Non Uniform Memory A ccess

(NUMA )方式と呼ばれる論理的な共有メモリ機構を有する。NUMA は主記憶装置が各 C PU に分散して配置されてい

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るため C PU から主記憶へのアクセス速度が非等価ではあるが,利用者プログラムから大容量のメモリを容易に利用す ることができるので,大規模な並列ジョブの実行が可能となる。高速シミュレーションシステムの日立製 S R 8000 は, 主に機構内における利用を目的として運用されている。

一方,2003年3月に導入された汎用高速演算システムは,NE C 製 S X -7 で構成される主システムと T X -7 で構成され る副システムとから成る。NE C S X -7 は 1 C PU あたり 8.8 Gflops の最高演算能力を持ち,256 GB の共有メモリに結合 された 32 C PU の演算装置から構成され,総合演算性能 282.5 Gflops の共有メモリ型ベクトル計算機である。また,T X - 7 は 4 GB のメモリを持ち最大 4 Gflops の演算性能を有する C PU を32台搭載したノードを基本単位として構成されて いる。本システムは2ノードから成り,合わせて 64 C PU,256 GB ,256 Gflops の総合性能を有する分散メモリ型スカ ラー計算機である。このうち主システムは高速演算,大容量メモリを活用した大規模分子科学計算に用いられ,また 副システムは分子科学計算に加え,ホモロジー検索を主としたバイオサイエンス分野での利用に供されている。

2004年度も144の研究グループの550名にもおよぶ全国の利用者に共同利用施設として広くサービスを提供し,計算 科学分野の中核的拠点センターとしての役割を果たしている。最近の大規模計算への要求に答えるために,2004年4 月から運用の抜本的な変更を行い,これまでと比較してはるかに高度で便利な計算環境の整備を行った。変更の主な ポイントは,

(a)C PU 時間とメモリーの上限を大幅に緩和して,大きな分子の電子状態計算を可能にした。また,デスク容量の上限 を大幅に緩和して,分子動力学計算等の巨大データの保存を可能にした。

(b)大規模計算を高速処理するための並列計算キューを大幅に拡充した。

(c)これまでの特別申請を簡素化した特別利用キューを新設し,申請時に簡単な説明を追記するだけで,360時間(16- 32 cpu,128 GB メモリー)もの長時間ジョブを可能にした。

(d)アプリケーション利用キューを新設し,機種に依存しない W eb からの標準入力で,量子化学計算で最も利用頻度が 高い Gaussian プログラムの効率的実行を初心者にも簡便に実行可能にした。

これらの変更により,これまでと比較して格段に大規模な計算が実行できるようになった。たとえば,HF /6-31G(d) 法で,原子数 338,基底関数 4,238 の分子系の S C F(21 回)+force の計算が T X -7(16cpu)を利用して9時間足らずで 終了するので,巨大な分子の理論研究も可能になった。今回の変更によって大規模な計算ばかりでなく,小規模な計 算も効率的に実行できるのも特徴である。次年度にスーパーコンピュータを更新することにより,2006年4月からは さらに巨大な分子系の大規模計算を可能にする計算環境を提供する予定である。

計算科学研究センターには,超高速コンピュータ網形成プロジェクト(NA R E GI)のナノサイエンス実証研究のため に,2004年3月から総理論演算能力が 10 T flops の大型計算機システムが導入されている。アプリケーション開発拠点 としての研究推進はもとより,事務局と計算機システムの運用という重要な役割を果たしている。

分子科学ばかりでなくバイオサイエンス分野の計算科学の唯一の全国共同利用センターとして,計算環境の提供ば かりでなく,分子科学を基盤とする計算科学の裾野を大きく広げて,国際的に先導的な計算科学研究発進の中心拠点 としての進展を目指して運営を進めていく。このために,以下のことを現在計画している。

(1)高速パソコンクラスターの最近の普及によりセンターへの期待と役割がこれまでとは大きく変化してきている。 これに答えるために,通常の研究室レベルでは不可能な大規模計算を実行できる計算環境の整備と強化を引き続き進 めて,来年の3月にスーパーコンピュータを更新することにより,これまでと比較して格段に巨大な分子系の理論研 究も効率よくできるようにする。このために有用な計算プログラム,分子モデリングプログラム,動画像処理プログ ラム等を強化していく。また,超大規模計算によって計算科学のブレイクスルーや新展開が期待できる特徴ある研究

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計画には,計算資源を優先的に大きく解放する方法を検討していく。

(2)物質科学はもとより生命科学分野でも,分子科学を基盤とする計算科学とコンピュータシミュレーションは,実 験に並ぶあるいはそれ以上に有力で強力な研究法として今後ますます重要になる。計算科学研究分野での新機軸を先 導的に展開するために,これまでのスーパーコンピューティングやグリッドコンピューティングの豊富な経験を活か して,国内の代表的な「理論化学研究会」と「分子シミュレーション研究会」の協力のもとに,分子科学研究所に本 年度新設された計算分子科学研究系を中心にして「巨大計算に基づいた分子・物質シミュレーションナショナルセン ター形成」の実現を目指す。このためのシンポジウムや研究会を開催して人的交流を促進すると同時に,内外の研究 者の支援のもとに若手研究者や大学院生の育成のための教育プログラムを進めて,計算科学の裾野を拡げる。また,ナ ショナルセンターとして大きく機能していくために,NA R E GI プロジェクト「ナノサイエンス実証研究」に代表され る大型プロジェクトの推進ばかりでなく,国内に加えて多国間共同研究など国外の研究グループ(特にアジア地域の 研究者)との国際共同研究支援のあり方を検討していく。

本年度の外部評価でも指摘されているように,これらの実行にはセンターの人的パワーの補強が強く求められてい る。

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5-5 装置開発室

装置開発室は,これまで所外の研究者の施設利用に関しては,装置開発室の設備の利用についてのみ公募の対象と してきたが,先端装置開発技術の急速な多様化と進歩の早さを考慮し,装置開発室技術職員の技術レベルの向上を目 的として,平成17年度後期より,実験装置の開発・製作についても施設利用として製作依頼を受けることとした。分 子科学研究所の研究支援組織としての位置付けは変らないので,業務の込み具合によっては引き受けられないことも あることを公募要項には明記してある。この決定については,装置開発室所内運営委員会(平成17年1月31日),教授 会,などの議論を経て2月22日の分子科学研究所運営会議において承認された。また,このような施設利用の内容の 変更にともなって,所外の委員も含めた装置開発運営委員会を設置することとなった。所外からの製作依頼について は,開発要素の強いものを受け付ける方針であるので,年間数件以内を予定している。前期,後期の年2回公募し,装 置開発運営委員会で議論したのち,装置開発室長が採否を決定する。

装置開発室における16年度の報告すべきもう一つの活動として,一年間の製作報告,共同技術開発,他機関との技 術交流報告などを内容としたアニュアルレビュー(年一回)の刊行がある。装置開発室の活動が所内外のできるだけ 多くの研究者や技術者の目に触れることは,研究者と技術者および技術者と技術者の間の情報交流をスムーズにし,装 置開発技術の向上にとって,また,組織活性化のうえで極めて有益なことと考える。

参照

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